隠れた郷土の遺産、石段の魅力をあなたに~SEKINEが選ぶ埼玉の石段ベスト33+α


神社仏閣の石段は、駅の階段と違って趣があり、自然に溶け込み、個性や変化に富んでいます。
長い石段を上りつめると、観音堂や御社があたたかく迎えてくれ、すばらしい眺望が待っています。
200段、300段を超える石段は達成感も得られます。神社仏閣を訪ね石段にチャレンジしてみませんか?
体には脚力・心肺機能・バランスの維持と健康増進、心には癒しと満足感をきっと得られることでしょう!
では、SEKINEが選ぶ埼玉の石段ベスト33+α(アルファ)をお楽しみください!



①ゆっくり上る  ②手すりを使う  ③踊場で一息入れる  ④バランスに注意
   ⑥下りでのヒザへの負担  ⑦石段脇の植栽にも目を  ⑧ふだんからちょっとしたトレーニングを


隠れた郷土の遺産、石段の魅力をあなたに~SEKINEが選ぶ埼玉の石段ベスト33+α

隠れた郷土の遺産、石段の魅力をあなたに!

 
 御嶽神社の位置 
所在地  埼玉県飯能市大字坂石580 
 
 
石段の地形的な位置
  •  【ご挨拶】 本ホームページ作成者の関根一昭です。埼玉県秩父市に在住し、長年高校教師の傍ら地質学の野外調査を行ってきましたが、その間さまざまな石段に巡り合い興味・関心を寄せてきました。本ホームページはその一端を紹介させていただくものです。
  •  【石段のプロフィール】 秩父御嶽神社の石段は685段と非常に多い。長さは約330mある長大な石段なので、上の地図に示したように、エリアAとエリアBの2つの部分に分けて紹介させていただく。このページはエリアBについて記述した。
     エリアBは、上の地図にあるように中ほどの地点から御嶽神社本殿までである。エリアBの石段は370段ある。①と②の2つの部分に分けた。エリアAの石段とは趣が異なり、急角度の石段が一気に突き上げるダイナミックな石段である。石段を上り詰めると、りっぱな造りの御嶽神社本殿がある。
  •  【石段周辺の地形】 秩父御嶽神社のエリアBの石段は、標高263m~342mのあいだにつくられ、高低差は約79mである。上の地図にみるように、等高線が混んでいて急峻な地形である。石段の傾斜も急であり、石段上りの醍醐味が味わえる。とくに②の石段の中段付近は、地形図上でも特に急で、石段の傾斜は42~43°と最も大きなレベルである。
  •  【石段周辺の地質】 秩父御嶽神社の石段は、秩父帯といわれる比較的古い地層の上につくられている。秩父帯の一部である花桐層に位置する。石段の地盤は、花桐層に多い砂岩 であり、中腹部分にはチャートもある。砂岩もチャートも硬い岩石である。これらは緑色岩などの他の岩石とともに、付加体を構成している。
  •  【インフォメーション】 秩父御嶽神社は、木曽の御嶽山(3067m) に祀られている御嶽神社の分社である。東郷公園は、日露戦争(1904~1905年)における連合艦隊司令長官を務めた東郷平八郎に由来する。
  •  【周辺の散策・ハイキングコース】 秩父御嶽神社と子の権現を訪ねるハイキングコースがお手頃。(吾野駅)→秩父御嶽神社→子の権現→(吾野駅)のコース。秩父御嶽神社から子の権現までは約2時間。子の権現天龍寺とよばれる。ここにある日本一の鉄わらじは有名。長さ2.65m、2トンの重量。健脚祈願の寺院として参拝者が多い。


御嶽神社(エリアB)の石段のさまざまなデータ
 段 数  370段[かなり多い]  磨滅度  中程度
 長 さ  約154m[かなり長い]
 石段部分=136m(88%)
 踊場部分= 18m(12%
方 角  西北西~西南西
 高低差  約79m[かなり大きい]  石 材  人工材 
 幅 員  1.7~1.8m[標準]
 踏 面  ❶38~52㎝[広い]
 ❷21~35㎝[標準]
 ❸13~18㎝[狭い]
 手すり  有(両側/中央)
 蹴上げ  ❶21~26㎝[高い]
 ❷14~20㎝[標準]
 併置物 幟端・鳥居・池・石垣・祈祷殿
 傾 斜  ❶42~48°[かなり急]
 ❷33~40°[急]
 ❸18~24°
ゆるい]
 築年代  1921年(大正10年)
 踊場数  8ヵ所  植 栽 アオキ・カエデ・スギ・シダ
 袖 石  有(幅11~17㎝)
その他  他の社にいたる番外ルートがある(下のデータの注に記載
  •  <データの注> ((1)段数・長さ・高低差・幅員・踏面・蹴上げ・傾斜については、SEKINEの独自基準による感覚的な区分を例示。 (2)長さは踊場を含む。石段部分と踊場部分の内訳と構成比を示した。長さは、上の地形図の長さとは一致しない。 (3)幅員は袖石を含む。 (4)方角は下から上に向かう方向。 
  •  <データの解説1> 段数について 秩父御嶽神社のエリアBの石段数は365段、あるいは368段と言われている。上段付近にごく新しい補助的な石段が6段ある。 これを除くと上記の段数とほぼ同じになる。
  •  <データの解説2> 幅員について <データの解説1>に述べた、補助的な石段のみ幅員が1.2mで、他のものより狭い。これは例外なので上の一覧表からは除いた。
  •  <データの解説3> 踏面について ①の石段の最初の21段は、踏面幅が広い。②の石段には、踏面が左(南方向)に最大14°沈み、下方向に最大5°沈んでいるものがある。
  •  <データの解説4> 傾斜について 40°内外のきつい傾斜の石段が多い。②の石段の中段付近には、48°のものが4段ある。 ①の石段の最初の21段の傾斜は緩い。それと連動して踏面幅は広くなっている(上記のデータの解説3を参照)
  •  <データの解説5> 手すりについて ①の石段の下~中段には手すりなし。上段から石段中央に赤色の鉄棒(直系2.2㎝)の手すりがある。②の石段のほぼ全域に、石段の両側に手すりあり。鉄棒製で、高さが約40㎝と低い。グラグラして不安定な個所があるので注意してください。
  •  <データの解説6> 築年代について ②の石段の上り口に築年代を示す標柱がある(文字が判読しにくくまちがいがあるかも)。
  •  <データの解説7> その他について 上記に紹介した①と②の石段のほかに、「オプションルート 」がいくつかある。[1]大江大権現社・日本武尊社→ 29段。石段・木段・鉄段がある。 [2]阿留摩耶(あるまや)大権現社→ 5段。 [3]三笠山神社→ 約150段。木段が中心。 


  幟旗が両脇をうめる
 秩父御嶽神社の370段におよぶエリアBの最初の石段である。①の石段の上り口。秩父御嶽神社本殿に続く長い石段の両脇には、幟旗(のぼりばた)が賑やかだ(①の石段の下段付近)
  急に傾斜が変わる
 石段左側の袖石を見てください。上部から4段目の石段を境に、傾斜が急変している。約40°から48°へと大きくなる。地盤地形の反映か?(②の石段の中段付近)。
  踏面が斜めになった
 下から3段目の石段の踏面が、右方向に傾いている。関係者の話によると、地盤が不安定であることが原因らしい(①の石段の中段付近)。
  手すりの鉄棒がぐにゃり・・
 中央の手すりの直径2.2㎝の鉄棒が、この部分のみぐにゃりと曲がっている。不思議に思い、関係者に尋ねてみた。原因は杉の倒木によるとのこと(①の石段の中段付近)。
  あと一息!
 エリアBの石段は、思わず気力が萎えるほどの急な石段の連続である。幟旗の先に小さな空間が見える。もう一息だ。しかし実際は、石段の先に見える石垣の向こうに、さらに42段の石段が待っている(②の石段の中段付近)。
  石段のまもり人
 台風通過直後で、枝葉が多数石段を覆っていた。長い石段を箒で一段、一段掃き清める青年がいた。例祭日が近いということだ(②の石段の中段付近)。
  この奥に祈祷殿がある
 祈祷殿と社務所の建物。①と②の石段の踊場を右方向(北方向)に行く。自動販売機も置かれていて、喉を潤すことも可(①と②の石段の間付近)。
  がっしりした造りの本殿
 370段の石段を踏みしめて、やっと着いた秩父御嶽神社本殿。境内は広く、ベンチもある。「幸せの鐘」があるので、鳴らしてみてください。晴れた日にはスカイツリーも見えます。丁寧な案内板があるので挑戦してみてください。


以下の関根一昭の2つのホームページにもぜひお立ち寄りください(^_^)

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関根一昭