隠れた郷土の遺産、石段の魅力をあなたに~SEKINEが選ぶ埼玉の石段ベスト33+α


神社仏閣の石段は、駅の階段と違って趣があり、自然に溶け込み、個性や変化に富んでいます。
長い石段を上りつめると、観音堂や御社があたたかく迎えてくれ、すばらしい眺望が待っています。
200段、300段を超える石段は達成感も得られます。神社仏閣を訪ね石段にチャレンジしてみませんか?
体には脚力・心肺機能・バランスの維持と健康増進、心には癒しと満足感をきっと得られることでしょう!
では、SEKINEが選ぶ埼玉の石段ベスト33+α(アルファ)をお楽しみください!



①ゆっくり上る  ②手すりを使う  ③踊場で一息入れる  ④バランスに注意
   ⑥下りでのヒザへの負担  ⑦石段脇の植栽にも目を  ⑧ふだんからちょっとしたトレーニングを

隠れた郷土の遺産、石段の魅力をあなたに~SEKINEが選ぶ埼玉の石段ベスト33+α

隠れた郷土の遺産、石段の魅力をあなたに!

 
 秩父札所24番法泉寺の位置  石段の地形的な位置
所在地  埼玉県秩父市別所1586番地
  •  【ご挨拶】 本ホームページ作成者の関根一昭です。埼玉県秩父市に在住し、長年高校教師の傍ら地質学の野外調査を行ってきましたが、その間さまざまな石段に巡り合い興味・関心を寄せてきました。本ホームページはその一端を紹介させていただくものです。
  •  【石段のプロフィール】 法泉寺の石段は117段あり、尾田蒔丘陵の段丘斜面につくられている。段数、長さ、幅員など均整のとれた石段が、まっすぐにのびている。新し過ぎず、古過ぎず、訪れる人になじみやすい石段である。石段を上りつめると、武甲山の雄姿と、秩父市の街並みが手に取るように楽しめる。
  •  【石段周辺の地形】 法泉寺の石段は、標高227~244mのあいだにあり、高低差は約17mである。尾田蒔丘陵は荒川がつくった河岸段丘である。法泉寺境内および本堂は、中位段丘面にあたる。石段上部からは、荒川の美しい蛇行と、その上にかけられた公園橋がよく見える。
  •  【石段周辺の地質】 尾田蒔丘陵には、厚さ数10mの礫層および関東ローム層といわれる火山灰層が見られる。その下には、秩父盆地をつくる新第三紀の地層が分布する。この地層は泥岩や砂岩を主とし、約1500万年前に海底に堆積して形成された。 パレオパラドキシアやクジラなどの化石が産出する。 また南東方向には武甲山がそびえ、、石灰岩採掘のためベンチカットされた山肌が見える。
  •  【インフォメーション】 尾田蒔丘陵は、地元では「長尾根」とよばれていて、高位段丘に属する。この段丘平坦面には、ミューズパークとよばれる大規模公園施設、工場、福祉施設などがつくられている。
  •  【周辺の散策・ハイキングコース】 法泉寺付近は秩父札所が多くあり、札所巡礼のコースとなっている。尾田蒔丘陵には、法泉寺のほかに札所23番音楽寺があり、人気の高い寺である。また札所22番童子堂では、山門に祀られているユーモラスな表情の仁王様が評判である。


秩父札所24番法泉寺の石段のさまざまなデータ
 段 数  117段[標準]  磨滅度  中程度
 長 さ 40.6m[標準]
 石段部分=40m(98.5%)
 踊場部分=0.6m(1.5%)
方 角  北 西
 高低差  約17m[標準]  石 材   天然材(砂岩)
人工材 
 幅 員  2.0~2.1m[標準]
 踏 面  25~35㎝[標準]  手すり  両側に有
 蹴上げ  12~21㎝[標準]  併置物  灯籠・地蔵
 傾 斜  26~30°[標準]  築年代  江戸時代中期?補修有
 踊場数  1ヵ所  植 栽  桜など
 袖 石  有(幅12㎝) その他   
  •  <データの注> (1)段数・長さ・高低差・幅員・踏面・蹴上げ・傾斜については、SEKINEの独自基準による感覚的な区分を例示。 (2)長さは踊場を含む。石段部分と踊場部分の内訳と構成比を示した。長さは、上の地形図の長さとは一致しない。 (3)幅員は袖石を含む。 (4)方角は下から上に向かう方向。 (5)築年代は定かでない。
  •  <データの解説1> 長さについて 踊場は1ヵ所であり、その長さはわずか0.6mと短い。
  •  <データの解説2> 踏面について 1段目のみ補強と補修のために玉石を配置し、広くなっている(これは除外した)。
  •  <データの解説3> 傾斜、踊り場について 傾斜は平均28°ある。踊場で休みつつ振り返り、秩父の街並みと武甲山を眺めるのもよい。
  •  <データの解説4> 石材について 石段の石材は砂岩を主とする天然材および人工材が使われている。部分的に激しく磨滅している石材もあり、人工材に使われている砂利(小石など)が浮き出ている部分もある。
  •  <データの解説5> 植栽について 石段脇の植栽は豊かで、春は桜の花が美しく、新緑や紅葉も鮮やかであり、石段を登る人々に安らぎを与えている。


  懐かしい香りの石段
 かつてはどこにでもあったような、郷愁を誘う石段。少し磨耗がすすんだ踏み面はぬくもりがあり、いぶし銀のような風格さえ感じる(下段付近)。
  すり減った石段
  江戸中期に作られたという石段。健康と心の平寧を願ういくたの民衆がこの石段を上ったことだろう。それは今も変わらない(中段付近)。
  風化している石段
  石段の天然材が風化して、堆積した時の細かい面があらわになっている。創建当時の石がそのまま現代にいたっているのかもしれない(中段付近)。
  石段上のさくらんぼ
  石段脇に植えられている桜の木からたくさんの小さなさくらんぼが石段の上に落ちている。割れた実が青紫色に踏面を染めている(上段付近)。
  法泉寺観音堂
  正面の唐戸の両袖に仁王像が安置され、その柱は八角柱である。昔、口の腫物に困った女性が、僧が与えた楊枝で口を洗い治ったという言い伝えがある。
  石段の上からの眺望
 法泉寺境内からは秩父市と、そのシンボルである武甲山、荒川の清流と河岸の眺望がすばらしい。初夏の新緑と秋の紅葉が美しい。


以下の関根一昭の2つのホームページにもぜひお立ち寄りください(^_^)

   原爆ドーム模型製作の指南書
 世界遺産原爆ドーム。詳細な型紙を100枚以上収録。これを張り付け切り抜き組み立てれば完成。文化祭・平和展のシンボルに。旧奨励館模型も可能。
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