隠れた郷土の遺産、石段の魅力をあなたに~SEKINEが選ぶ埼玉の石段ベスト33+α


神社仏閣の石段は、駅の階段と違って趣があり、自然に溶け込み、個性や変化に富んでいます。
長い石段を上りつめると、観音堂や御社があたたかく迎えてくれ、すばらしい眺望が待っています。
200段、300段を超える石段は達成感も得られます。神社仏閣を訪ね石段にチャレンジしてみませんか?
体には脚力・心肺機能・バランスの維持と健康増進、心には癒しと満足感をきっと得られることでしょう!
では、SEKINEが選ぶ埼玉の石段ベスト33+α(アルファ)をお楽しみください!



①ゆっくり上る  ②手すりを使う  ③踊場で一息入れる  ④バランスに注意
   ⑥下りでのヒザへの負担  ⑦石段脇の植栽にも目を  ⑧ふだんからちょっとしたトレーニングを


隠れた郷土の遺産、石段の魅力をあなたに~SEKINEが選ぶ埼玉の石段ベスト33+α

隠れた郷土の遺産、石段の魅力をあなたに!

 
 虚空蔵禅寺の位置  石段の地形的な位置
所在地  埼玉県秩父市上宮地4704
  •  【ご挨拶】 本ホームページ作成者の関根一昭です。埼玉県秩父市に在住し、長年高校教師の傍ら地質学の野外調査を行ってきましたが、その間さまざまな石段に巡り合い興味・関心を寄せてきました。本ホームページはその一端を紹介させていただくものです。
  •  【石段のプロフィール】 虚空蔵禅寺の石段は95段ある。虚空蔵尊縁日が開催されることで有名である。毎年1月12日から13日にかけて行われ、とくに12日夕~夜にかけて最も賑わう。95段の石段を上ると、境内に出る。石段部分と踊場が7回(または8回)規則正しく繰り返す。境内では、福だるまやお宝飾りの店が立ち並ぶ。沿道には露店が連なり、温かいものを求めて客が集まる。上の写真は、境内に向かう人々の姿である。虚空蔵様の石段が最も活気づく時である。
  •  【石段周辺の地形】 石段は、標高238~253mの間にあり、高低差は約15mである。秩父市を南北に走る国道140号線から約300m東側にある。秩父盆地に分布する中位段丘面の段丘崖に虚空蔵禅寺の石段と本堂がある。境内や本堂は上の地形図にあるように、等高線の幅が広い比較的なだらかな場所にある。石段の傾斜は26~30°で標準的である。
  •  【石段周辺の地質】 虚空蔵禅寺の石段は、上記に述べた通り段丘崖にある。段丘崖には、秩父盆地に広く分布する新第三紀層が露出している。石段南東側の沢沿いに砂岩や泥岩が見られる。段丘崖の上には羊山丘陵に代表される中位段丘面が広がる。
  •  【インフォメーション】 虚空蔵禅寺は秩父十三仏霊場の一つ。養蚕業の繁盛を願う。秩父地域は古くから養蚕が盛んな地域であったが、今では養蚕農家は数えるほどしかない。小正月(1月15日が中心)前の伝統行事である。だるまは高崎だるまで、福だるまともよばれ、大から小(豆)までさまざまなサイズのだるまが店先を飾る。
  •  【周辺の散策・ハイキングコース】 秩父十三仏霊場巡り、通称「とみまいり」コースがある。ただし全行程が100㎞を超える距離なので、ちょっとハイキングというわけにはいかない。秩父聖地公園、羊山丘陵周辺のハイキングが手軽なコースである。


虚空蔵禅寺の石段のさまざまなデータ
 段 数  95段[標準]  磨滅度  きわめて軽微
 長 さ 約53m[標準]
 石段部分=35m(66%)
 踊場部分=18m(34%)
方 角  南東
 高低差  約15m[標準]  石 材  天然材(花こう岩)
両脇は天然材の丸石による石垣
 幅 員  2.84m[広い]
 踏 面  35~36㎝[標準]  手すり  有(中央)
ステンレス製でしっかりしている
 蹴上げ  18~19㎝[標準]  併置物  石碑・標柱・灯篭・街路灯
 傾 斜  ❶ 26°[標準]
 ❷ 28~30°[標準]
 築年代  ?
 踊場数 7ヵ所  植 栽 スギ・カンゾウ・ササなど
 袖 石  有(幅16㎝) その他   
  •  <データの注> ((1)段数・長さ・高低差・幅員・踏面・蹴上げ・傾斜については、SEKINEの独自基準による感覚的な区分を例示。 (2)長さは踊場を含む。石段部分と踊場部分の内訳と構成比を示した。長さは、上の地形図の長さとは一致しない。 (3)幅員は袖石を含む。 (4)方角は下から上に向かう方向。  (5)築年代は定かでない。
  •  <データの解説1> 段数について 11段の石段部分が、踊場を挟んで7回(または8回)規則的に繰り返している。ただし最上部の石段のみ18段である。リズミカルな造りが、上っていて心地よい。
  •  <データの解説2> 蹴上げについて 石段部分はどこも最初の1段のみ、蹴上げが4~10㎝と低い。
  •  <データの解説3> 傾斜について 下段~中段部分の石段の傾斜は26°であり、上段部分は28~30°と少し急になる。しかし、私の独自基準では両者とも標準の範囲内である。
  •  <データの解説4> 踊場について 踊場部分も石段部分にならって規則的に造られている。ただし、2~5mの範囲で長さはまちまちである。天然材の四角の敷石(一辺が平均60㎝程度)がていねいに敷き詰められている(下部写真参照)。
  •  <データの解説5> 併置物について 石段脇には街路灯が数基設置されている。毎年1月12日の夕刻より、縁日で賑わうためであろう。電線を張り、ハダカ電球もぶら下げられている。


  リズミカルな石段
 11段の石段と踊場がセットになり、7回(または8回)繰り返している。左側の袖石を見ると、そのいくつかが確認できる。適度に足休めができ、無理なく上れる。縁日には子どもからお年寄りまでたくさんの人が訪れるので、ありがたい構造である(下段付近)。
  袖石の排水溝
 幅16㎝の袖石の所々に、幅約7㎝の溝が切られている。雨水を石段の外に導く排水溝と思われる(下段付近)。
  上品な踊場
 方形に切られた花こう岩が、ていねいに敷き詰められている。踊場の長さは1.9~2.3mのものが多い。最初の踊場のみ5.3mと長い(中段付近)。
  木立をバックに裸電球
 石段を横断して電気配線がほどこされ、裸電球が吊るされている。縁日の夜に訪れる大勢の参拝者の足元を照らすためか、はたまた単なる電飾か? 杉木立と裸電球のコントラストがおもしろい(中段付近)。
  だるま市
 縁日には、境内に所狭しとだるまとお宝飾りの店が並ぶ。今年一年の福と健康を願い、だるまを手にする人が絶えない。だるまは大から小(豆)までさまざまなサイズが並べられている(境内)。
  出番を待つ福だるま
 本堂の裏手の空きスペースにストックされた大量のだるま。店の棚に並べきれなかっただるまが、出番を待つ。さすが秩父一の虚空蔵様のだるま市である(境内)。
  縁日の本堂の提灯
 夕闇が迫るにつれ、火の入った提灯が本堂に浮かび上がる。提灯には「虚空蔵菩薩」とある。1月の寒空のもと、境内は夜遅くまでにぎわう。


以下の関根一昭の2つのホームページにもぜひお立ち寄りください(^_^)

   原爆ドーム模型製作の指南書
 世界遺産原爆ドーム。詳細な型紙を100枚以上収録。これを張り付け切り抜き組み立てれば完成。文化祭・平和展のシンボルに。旧奨励館模型も可能。
  「いのちの教育」に科学から迫る
 「九死に一生物語~シーラカンスと私を結ぶ二億のおかあさん」(関根一昭著/平和文化)のご案内。人類につながる4億年に渡る生命の歴史物語。

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関根一昭