隠れた郷土の遺産、石段の魅力をあなたに~SEKINEが選ぶ埼玉の石段ベスト33+α


神社仏閣の石段は、駅の階段と違って趣があり、自然に溶け込み、個性や変化に富んでいます。
長い石段を上りつめると、観音堂や御社があたたかく迎えてくれ、すばらしい眺望が待っています。
200段、300段を超える石段は達成感も得られます。神社仏閣を訪ね石段にチャレンジしてみませんか?
体には脚力・心肺機能・バランスの維持と健康増進、心には癒しと満足感をきっと得られることでしょう!
では、SEKINEが選ぶ埼玉の石段ベスト33+α(アルファ)をお楽しみください!



①ゆっくり上る  ②手すりを使う  ③踊場で一息入れる  ④バランスに注意
   ⑥下りでのヒザへの負担  ⑦石段脇の植栽にも目を  ⑧ふだんからちょっとしたトレーニングを


隠れた郷土の遺産、石段の魅力をあなたに~SEKINEが選ぶ埼玉の石段ベスト33+α

隠れた郷土の遺産、石段の魅力をあなたに!

 
 岩槻愛宕神社の位置  石段の地形的な位置
所在地  埼玉県さいたま市岩槻区本町3丁目21-25
  •  【ご挨拶】 本ホームページ作成者の関根一昭です。埼玉県秩父市に在住し、長年高校教師の傍ら地質学の野外調査を行ってきましたが、その間さまざまな石段に巡り合い興味・関心を寄せてきました。本ホームページはその一端を紹介させていただくものです。
  •  【石段のプロフィール】 岩槻愛宕神社の石段は28段ある。毎年2月下旬から3月上旬にかけて、この石段で大雛段飾りが開催されることで有名だ。飾られるお雛様は約380体にもなる。高さ4mを超える目を見張る大きな雛段だ。「人形のまち岩槻」にふさわしいイベントである。愛宕神社は、地形的に高くなっている土塁の上に建てられている。この土塁は、戦国時代(1580年代頃)に後北条氏によって、豊臣氏の勢力からこの土地を守るために造営された。かつては約8㎞も連なっていたとのことである。
  •  【石段周辺の地形】 石段は、標高9.8~14.1mの間にあり、高低差は約4.3mである。岩槻愛宕神社は、埼玉県の南東部に広がる大宮台地の東側に位置する。元荒川と中川の両河川にはさまれている。岩槻愛宕神社は標高約14mに位置し、東武野田線の線路脇にある街中の神社である。
  •  【石段周辺の地質】 岩槻愛宕神社が鎮座する大宮台地は、大部分が地質学的には武蔵野面(M面)に属する。武蔵野面は更新世後期の地層からなる。大宮台地の表層には、3~4mの関東ローム層がのっている。これは5~4万年前に噴火した古富士山の火山灰が堆積したものである。
  •  【インフォメーション】 愛宕神社大雛段飾りには、市民から寄付されたお雛様が飾られる。子どもが大きくなるにつれて飾らなくなることが多いが、このような場があるとお雛様も喜んでいることだろう。岩槻では、この期間中に人形展、写真展など多彩なイベントが行われる。
  •  【周辺の散策・ハイキングコース】 岩槻周辺のハイキングコースとして、次のコースが紹介されている。東岩槻駅→ 慈恩寺→ 玄奘三蔵塔→ 久伊豆(ひさいず)神社→ 岩槻城址公園→ 時の鐘→ 遷喬館(せんきょうかん)→ 岩槻駅。徒歩時間は約3時間。


岩槻愛宕神社の石段のさまざまなデータ
 段 数  28段[少ない]  磨滅度  軽 微
 長 さ 約8.6m[短い]
 石段部分=8.6m(100%)
 踊場部分=0.0m(0%)
方 角  西北西
 高低差  約4.3m[小さい]  石 材   人工材 
 幅 員 2.3m[標準]
 踏 面  28㎝[標準]  手すり  有(両側)
 蹴上げ  13~14㎝[低い]  併置物  狛犬・石柱・石碑・天水桶など
 傾 斜  29~32°[標準]
 築年代  ?
 踊場数  な し  植 栽 ツバキ・サルスベリ・ヤマブキ・ウメなど
 袖 石  有(幅17㎝) その他  迂回の石段 
  •  <データの注> (1)段数・長さ・高低差・幅員・踏面・蹴上げ・傾斜については、SEKINEの独自基準による感覚的な区分を例示。 (2)長さは踊場を含む。石段部分と踊場部分の内訳と構成比を示した。長さは、上の地形図の長さとは一致しない。 (3)幅員は袖石を含む。 (4)方角は下から上に向かう方向。 
  •  <データの解説1> 踏面について 踏面が石段の奥に向かって、18~20°の角度で切れ込んでいる(石段点描を参照)。
  •  <データの解説2> 蹴上げについて 最上段のみ17㎝と、他のものに比較して高い。
  •  <データの解説3> 併置物について 石段の最上段中央に石柱がある。高さ97㎝、直径20㎝、花崗岩製。本社前には一対の天水桶が設けられている(両者ともに石段点描参照)。
  •  <データの解説4> 植栽について ツバキ・サルスベリ・ヤマブキ・ウメなどの花の咲く植栽が多く、目を楽しませてくれる。
  •  <データの解説5> その他について 石段の北側に小さな御稲荷様の社がある。そこから本社に向かって迂回路の石段が続いている。段数は23段。


  愛宕神社が鎮座する土塁
 かつての土塁と堀を合わせて、大構(おおかまえ)と言われた。大構には外構(そとがまえ)、惣構(そうがまえ)、土居(どい)がある。本土塁は、惣構に当たるとのこと。
  踏面の切れ込み
 写真にみるように、垂直に立てたスケールに対して、18~20°の角度で奥に切り込まれていることがわかる。これによって踏面が約4㎝広くなる。
  多数の雛が石段を飾る
 市民から寄付されたお雛様は、どれもみな美しくりっぱである。見ていて飽きない。約380体の豪華な雛段をぜひご覧ください。
  石段を彩る椿の花
 石段脇の植栽のひとつに椿がある。椿の花は石段にお似合いですね。
  石柱と本社
 石柱は最上段の中央に立てられている。石柱、天水桶を従えた本社が落ち着いた構えをみせている。
  満水に景色が映る天水桶
 天水桶には満々の水が湛えられている。水面に映る木々の枝と青い空の対照が美しい。
  電車と共存する神社?
 頻繁に往来する東武野田線の電車が、愛宕神社の直下を走る。豊かな植栽の枝越しに電車が覗く。
  大雛段飾りに振られる大旗
 大雛段飾りのオープニングの諸行事が、愛宕神社の境内で繰り広げられる。ご婦人たちの踊りに合わせて大きな旗が振られ初日を彩る。


以下の関根一昭の2つのホームページにもぜひお立ち寄りください(^_^)

   原爆ドーム模型製作の指南書
 世界遺産原爆ドーム。詳細な型紙を100枚以上収録。これを張り付け切り抜き組み立てれば完成。文化祭・平和展のシンボルに。旧奨励館模型も可能。
  「いのちの教育」に科学から迫る
 「九死に一生物語~シーラカンスと私を結ぶ二億のおかあさん」(関根一昭著/平和文化)のご案内。人類につながる4億年に渡る生命の歴史物語。

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関根一昭