隠れた郷土の遺産、石段の魅力をあなたに~SEKINEが選ぶ埼玉の石段ベスト33+α


神社仏閣の石段は、駅の階段と違って趣があり、自然に溶け込み、個性や変化に富んでいます。
長い石段を上りつめると、観音堂や御社があたたかく迎えてくれ、すばらしい眺望が待っています。
200段、300段を超える石段は達成感も得られます。神社仏閣を訪ね石段にチャレンジしてみませんか?
体には脚力・心肺機能・バランスの維持と健康増進、心には癒しと満足感をきっと得られることでしょう!
では、SEKINEが選ぶ埼玉の石段ベスト33+α(アルファ)をお楽しみください!



①ゆっくり上る  ②手すりを使う  ③踊場で一息入れる  ④バランスに注意
   ⑥下りでのヒザへの負担  ⑦石段脇の植栽にも目を  ⑧ふだんからちょっとしたトレーニングを


隠れた郷土の遺産、石段の魅力をあなたに~SEKINEが選ぶ埼玉の石段ベスト33+α

隠れた郷土の遺産、石段の魅力をあなたに!

 
 奥沢神社の位置  石段の地形的な位置
所在地  埼玉県秩父郡東秩父村奥沢128
  •  【ご挨拶】 本ホームページ作成者の関根一昭です。埼玉県秩父市に在住し、長年高校教師の傍ら地質学の野外調査を行ってきましたが、その間さまざまな石段に巡り合い興味・関心を寄せてきました。本ホームページはその一端を紹介させていただくものです。
  •  【石段のプロフィール】 奥沢神社の石段は88段ある。奥沢神社のある東秩父村は、埼玉県で唯一の村である(2019年現在)。村のイメージに合う素朴で、周囲の自然にマッチした石段である。踏面と袖石が玉石の天然材でつくられている。 石段の傾斜は大部分が31~36°であるが、最後の14段が38~42°とかなり急になる変化も楽しめる。
  •  【石段周辺の地形】 石段は、標高160~172mの間にあり、高低差は約21.5mである。奥沢神社の西方約130mを槻川が北西から南東へ流れている。槻川と並行して埼玉県道11号線が走っている。山間部の緑の中を抜ける気持ちのよい道路である。槻川をはさんで西側には東秩父村役場がある。
  •  【石段周辺の地質】 奥沢神社周辺は秩父帯の北帯に属し、泥質岩が多く分布する。泥岩のほかには緑色岩・凝灰岩・チャートなどが分布する。中生代ジュラ紀の中期(1億7000万~1億6000万年前)を示す放散虫化石が産出する。奥沢神社周辺は比較的軟らかい泥質岩が多いために、ゆるい地形になっている。
  •  【インフォメーション】 奥沢神社は埼玉県道11号線沿いにあり、東秩父村役場がよい目標になる。奥沢神社は槻川をはさんでその対岸にある。
  •  【周辺の散策・ハイキングコース】 東秩父村には手ごろなハイキングコースがいくつかある。官ノ倉山(345m)ハイキングコース=距離1.3km、所要時間40分。笠山峠(約700m)ハイキングコース= 距離14km、所要時間4時間40分。大霧山(967m)~定峰峠ハイキングコース= 距離12km、所要時間3時間40分。道の駅「和紙の里ひがしちちぶ」(2016年オープン)では、和紙手漉き体験、ショッピングなどが楽しめる。


奥沢神社の石段のさまざまなデータ
 段 数  88段[標準]  磨滅度  軽~中程度
 長 さ 約48m[標準]
 石段部分=38.5m(80%)
 踊場部分=9.5m(20%)
方 角  北
 高低差  約21.5m[標準]  石 材   天然材(玉石)
 人工材
 幅 員 ❶ 2.62m[広い]
❷ 1.8~2.0m[標準]
❸ 2.25m[標準]
 踏 面 ❶ 31~47cm[標準~広い]
❷ 23~29cm[標準]
 手すり  ❶ なし
 ❷
両側(鉄パイプ)
 蹴上げ ❶ 19~23cm[標準~高い]
❷ 21~29cm[高い~かなり高い]
 併置物  灯籠・鳥居・標柱
 傾 斜 ❶ 31~36°[標準~急]
❷ 38~42°
[急~かなり急]
 築年代  ?
 踊場数  5ヵ所  植 栽  スギ・タケ・カンゾウなど
 袖 石 ❶ 有(幅15.5cm)
(幅22~31cm)
その他   
  •  <データの注> (1)段数・長さ・高低差・幅員・踏面・蹴上げ・傾斜については、SEKINEの独自基準による感覚的な区分を例示。 (2)長さは踊場を含む。石段部分と踊場部分の内訳と構成比を示した。長さは、上の地形図の長さとは一致しない。 (3)幅員は袖石を含む。 (4)方角は下から上に向かう方向。 (5)築年代は定かでない。
  •  <データの解説1> 幅員について ❶は最初の4段、❸は最後の1段。❷はそれ以外の大部分の石段である。
  •  <データの解説2> 踏面について ❷は最後の1段。❶はそれ以外の大部分の石段。 1段あたり3~5個の玉石の天然材を人工材で固定している。
  •  <データの解説3> 蹴上げについて ❶は最初の4段。❷はそれ以外の大部分の石段。
  •  <データの解説4> 傾斜について ❶は下段~中段の石段。❷は上段の石段で、❶に比べて急である。
  •  <データの解説5> 袖石について ❶は最初の4段。❷はそれ以外の大部分の石段。❶の4段以外は、袖石も玉石の天然材を人工材で固定したものである。
  •  <データの解説6> 併置物について 標柱には、チャートが使われている。


  人工材で固定された玉石
  1段に玉石が3~5個並べられている。それぞれのサイズは長径が30~60~90㎝と幅がある。岩種はチャートと砂岩がほとんどで、チャートが多い。玉石同士は人工材で固められている(下段付近)。
  袖石にも玉石が使われる
 袖石にも玉石が縦に並べられている。人工材で固定されているのは、踏面と同じである(下段付近)。
  玉石にはチャートが多い
 玉石にはチャートが多く用いられている。チャートは硬いので石段の材として優れている。周辺の秩父帯にはチャートは普通にみられる岩石である。写真のチャートは少し赤みを帯びている(下段付近)。
  踏面の剥離した人工材
 踏面の人工材の被覆は薄いので、ところどころ割れている。歴史を感じさせる情趣がある。石段全体の摩滅度は軽~中程度である(下段付近)。
  玉石には結晶片岩もある
 結晶片岩の玉石は奥沢神社の石段では珍しい。結晶片岩の縞模様(片理)が、写真の左右方向に見える(中段付近)。
  裸電球
 おそらく祭祀、行事用の裸電球であろう。最近ではLEDが多いので、裸電球は懐かしい。神社の石段にはやはり裸電球が似合う(中段付近)。
  木の根が玉石を動かす
 写真の右下隅から左上に向かって木の根が玉石の押しのけて伸びている。木の根と玉石のおもしろいコラボだ。中央の細長い玉石の長径は47㎝(中段付近)。
  最後の1段
 境内にいたる最後の石段は、その下の石段の幅より約40㎝広くなっている。ほっと一息の石段か?(上段付近)
  落ち着いた境内と奥社
 境内には杉の木が何本かあり、ひっそりと奥社がたつ。心がやすらぐ空間だ。


以下の関根一昭の2つのホームページにもぜひお立ち寄りください(^_^)

   原爆ドーム模型製作の指南書
 世界遺産原爆ドーム。詳細な型紙を100枚以上収録。これを張り付け切り抜き組み立てれば完成。文化祭・平和展のシンボルに。旧奨励館模型も可能。
  「いのちの教育」に科学から迫る
 「九死に一生物語~シーラカンスと私を結ぶ二億のおかあさん」(関根一昭著/平和文化)のご案内。人類につながる4億年に渡る生命の歴史物語。

ホームページ代表者
関根一昭