「核のゴミ」地層処分の再検討を!


「核のゴミ」の地層処分は、最近出てきた話ではありません。1976年には、すでにその端緒がつけられていました。
それから約50年近く経過し、大きな問題をいくつも含みながらも、着々と進行していました。しかし、国民合意の
方法とは無縁の力による政策、巨額の交付金を背景にした無謀なやり方のために、今も迷走している状態です。地
層処分の歴史を通観しつつ、新たな原発推進政策(GX方針)のもとに今後の展開を十分注視する必要があります。


「核のゴミ」地層処分の再検討を!

 
  •   上の写真は、現在文献調査がすすむ北海道寿都町に分布する主要な地層で、おもに「水冷破砕岩」からできています。非常にもろく、ここの地下に巨大な地層処分場をつくることは地質学的にきわめて危険です。写真は、当地域の地質学的研究を行った岡村 聡氏による撮影です。  

  • 地層処分に関連したおもな内容(年表)

    地層処分にかかわる主な政策など
    1962 ・原子力委員会:再処理研究方針報告書
    1976 ・原子力委員会:地層処分に重点を置く研究開始
    1992 ・核燃料サイクル開発機構(現日本原子力開発機構):研究成果報告第(1次取りまとめにより)、わが国の地層処分の技術的可能性が明らかにされた(NUMO資料より)
    1993 ・青森県六ケ所村で核燃料再処理工場建設開始
    1997 ・地層処分研究開発協議会の発足(動燃事業団・日本原子力研究所・地質調査所・防災科学技術研究所・電力中央研究所等で構成)
    1999 ・核燃料サイクル開発機構(現日本原子力研究開発機構、JAEA):研究成果報告(第2次取りまとめ)により、技術的信頼性が示され、地層処分が可能であるとした(NUMO資料より)
    2000 ・地層処分の技術的信頼性を原子力委員会が確認 「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」制定
    ・原子力発電環境整備機構(NUMO)設立
    ・「十万年程度の安定な地質環境は国内に広く分布する」によって、「日本で地層処分は可能である」ことになった
    ・「『高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性』 批判」:地層処分問題研究グループ (高木学校+原子力資料情報室)
    2002 ・地層処分候補地の公募開始:高レベル放射性廃棄物の最終処分施設の設置可能性を調査する区域 岐阜県に瑞浪深地層研究所着工
    2003 ・北海道に幌延深地層研究センター着工
    2007 ・高知県東洋町:高レベル放射性廃棄物の最終処分施設の設置可能性を調査する区域へ1月に応募、7月に取り消し
    2015 ・国が前面に立って、地層処分に取り組む方針の閣議決定「科学的特性マップ」の検討
    ・学術会議:高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策提言-国民的合意形成に向けた暫定保管
    2017 ・最終処分関係閣僚会議→「科学的特性マップ」を公表
    ・学術会議:我が国の原子力発電のあり方について(提言)
    2018 ・地団研:「高レベル放射性廃棄物の処分について第三者機関による総合的検討と原子力政策の抜本的見直しを求める」総会声明
    2020 ・北海道寿都町・神恵内村において文献調査開始
    2023 ・長崎県対馬市において文献調査受け入れ拒否
  •   上の表は、「科学的特性マップを考える会」で著した「『高レベル放射性廃棄物』はふやさない、埋めない」(2019年、地学団体研究会)を参考に作成しました。 

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