肩痛

 肩こり、腰痛に次いで意外に多いのが肩痛です。 いわゆる「四十肩」「五十肩」から二十代の運動選手まで年齢も幅広いです。痛み方も夜も眠れないという人から日常生活には支障はないが腕が上がらないという人、肩こりや首の痛みを伴う人まで様々です。

痛み出したきっかけを伺うと、「最初は違和感だったがだんだん痛くなってきた」 「転んで背中を打ってから」 「雪かきをしてから」 「久しぶりにバレーボールをやってスパイクを打ったら」 などこれもいろいろで、やはり肩関節の構造的不安定さを実感します。

肩の関節は身体の比較的表面にある大きな筋肉と、これに対し身体の深い部分にある小さな筋肉に支えられています。 この小さな四つの筋肉は最近よく耳にする「インナー・マッスル」と呼ばれ、これらが使いすぎや外傷、あるいは加齢などにより筋バランスが崩れると炎症を起こし、痛みや機能不全が発生します。 また上腕二頭筋(肘を曲げたとき力こぶが出る筋肉)の腱鞘炎でも肩に痛みが出ます。

これらの肩関節周囲炎は自然に治っていきますが、軽くて3ヶ月、長ければ2年くらいかかるケースもあります。 早い回復のために大事なのは強い痛みがおさっまってからのリハビリやエクササイズです。 ただ、自己流でやっているとかえって逆効果になることもあるので、専門的にケアを受けて指導してもらった方がよいでしょう。

肩を痛める代表的なスポーツというとやはり野球だと思います。 故障したときにトップクラスの選手はトレーナーやドクターが身近にいてすぐに的確なケアが受けられますが、日曜日しかプレーしないような軟式プレーヤーなどはそうはいきません。 肩に痛みが出てしばらく休んで、「もう治ったろう」 と思って投げてみるとまだ痛い。 次の日曜日も同じように痛い。 このようなことを繰り返すうちにすっかり気持ちが落ち込んでしまう方がよくいらっしゃいます。 こういう場合も完全に休んでしまうのではなく、まずきちんと痛みの原因を調べてから症状に合せた積極的なリハビリを行った方がカムバックの日は早くやって来ます。

■施術法

 炎症が強く、激痛がある場合は患部直接の徒手施療はできません。アイシングが中心になりますが身体のエネルギーバランスをとることで一時的に痛みがやわらぐことがあります。 本格的な施術はこの段階を過ぎてからになります。 まず痛みの箇所を調べて、次に肩関節の運動性や筋力を検査し、これらのバランスをとっていきます。


ほとんどのケースで肩周辺に抑制弱化筋(正常に働いていない筋肉)が見つかるのでそれにストレスをかけている原因をつきとめて対処します。 ただ原因が多岐にわたっていたり、心因性の問題が深く関わっていたりする場合は、どうしても時間がかかります。特に高齢の方はこの傾向が強いです。 


施療全般に言えることですが、とにかく身体内のあらゆるものをクリヤーにして自然治癒力が働きやすい状態にすることが第一です。


また肩のリハビリ運動は意外と難しいものです。 自己流でやっているとかえって悪化させることもあります。 専門家に指導してもらってから行うとよいでしょう。
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