和 千 葉 (わちば)


 両神村の薄川を入った所に「和千葉(わちば)」という不思議な地名がある。 近くでは、東秩父村に「和知場(わちば)」という地名がある。
 「わち」という地名は、なんだろうか、これには諸説がある。

@ 「和千葉(わちば)」は、川が輪の様に曲がった所なのだろうか?
 「わち」は、「輪地(わち)」であり、「輪の様になった場所」という意味であるという。
 京都府の船井郡
には、「和知町」というところがあり、「川がの様に湾曲するところの土」から転じて、「輪地(わち)」となり、それが「和知(わち)町」になったのだという。
A 「和千葉(わちば)」は、猪垣(ししがき)のあった所なのだろうか?
 むかしは、イノシシに作物を食べられないように「猪垣(ししがき)」をつくった。
 その「ししがき」の形が、輪の様なので、「輪の様に囲まれた土地」、が転じて「輪地(わち)」となったという。
B 「和千葉(わちば)」は、「萱(かや)の生える場所」なのだろうか?
 むかしは、「猪垣(ししがき)」を作るのに背の高い草を使った
 その背の高い草として萱(かや)がよく使われた。
 そこから転じて「萱(かや)の生える場所」を「わちば」というようになったという説がある。
C 「両月」と書いて「わち」と読ませる町がある。
 兵庫県加西市には、「両月」と書いて「わち」と呼ぶ町がある。
 その近くには、「大茅(おおかや)」「大萱(おおかや)」、「大栢(おおかや)」など、「萱(かや)」と関係のある地名が並んでいる。
 「萱(かや)」と「月」とは、どう結びつくのだろうか?
 萱(かや)の穂が出そろう頃は、確かに月が美しい時期である。そう考えると、「十五夜(じゅうごや)」には、なぜ、月見団子(つきみだんご)と薄(ススキ)を供えるのだろうか?
 さういえば、両神村にも、「萱(かや)」に関係する「薄(すすき)」という地名がある。