秩父なまりの規則性
 「秩父の訛(なま)り」にも、いくつかの規則性がある。
 下記のものは、その規則性について「まとめた」ものである。
1 古語が変化したと思われるもの。
  うちゃある→打ち遣る(捨てる)、うっぽっぽ→うつほ(うつけ)
2 接頭語が、使われ、ことばの感じが強くなる。
  おっぺせえる(押さえる)  ぶちかます(ぶつ)  ぶっとばす(ぶつ)
   うっぽおる(放り投げる) 
3 発音が(ai)となるものは、(ee)と訛(なま)る。
  赤い(akai)→あけえ(akee)   でかい(dekai)→でけえ(dekee)
4 発音が(ae)となるものも、(ee)と訛(なま)る。
  返す(kaesu)→けえす(keesu)   帰る(kaeru)→けえる(keeru)
5 発音が(ui)となるものは、(ii)と訛(なま)る。
  暑い(atsui)→あちい(achii)  寒い(samui)→さみい(samii)
6 発音が(oi)となるものも、(ee)と訛(なま)る。
  白い(shiroi)→しれえ(shiree)    遅い(osoi)→おせえ(osee)
7 発音が(ou)となるものも、(ee)と訛(なま)る。
  向こう(mukou)→むけえ(mukee)
8 「から」の前の言葉が促音化「っから」する。
  九時から→九時っから   最初(はな)から→最初(はな)っから
9 助詞の「の」が、「ん」に変化する。
  おれの家(うち)→おれんち 上の家(うち)→うえんち