黒海土(くろかいど)

 
 「小鹿野バイパス」から両神村に入ると、そこが「黒海土(くろかいど)パイパス」である。
 その辺りの地名をなぜか「黒海土(くろかいど)」という。
 
@ 「かいど」は、谷または、谷の出口か?
 「関東地名物語」(著 山田秀三)によると、「貝戸(かいと)」「海土(かいど)」「皆戸(かいと)」「界戸(かいと)」「谷戸(かいと、やと)」「改戸(かいと)」「貝津(かいと、かいつ)」など様々な書き方があるが、いずれも、「谷に関係した地名」であるという。
 そういえば、「谷津(やつ)」は、「がやつ」とも読める。「がやつ」が「がやと」となり「かいど」と訛(なま)ったとも考えられる。

☆ この場所から、三山(さんやま)方面を見ると、杉やヒノキで谷間が黒く見えるので「黒い谷津(やつ)」という意味なのだろうか?
A 「かいど」は、「開墾地(かいこんち)」か?
  「垣内(かきつ)」とは、「垣根で囲んだ土地」を指しているという。「垣内(かきつ)」が訛(なま)って、「かきと」となり「かいど」となったという説もある。開墾地を垣根で囲ったため、それが転じて「かいど」となったという説がある。

☆ 「黒海土(くろかいと゛)」は、「よく肥えた黒い土の開墾地」なのだろうか?
B 「かいど」は、「開墾地集落」か?
 上記の様に、開墾地を「かいと」と呼ぶようになったが、さらに、開墾地には、人々が移り住んだので「垣内集落」を「かいと」というようになったという説がある。

☆ 「黒海土(くろかいと゛)」は、「開墾地集落」なのだろうか?
C 「かいど」は、館跡か?
「垣内(かきつ)」とは、「塀で囲んだ土地」を指しているという。館には塀をめぐらしていた。
そういえば、秩父の方言では、「垣根で囲まれた家の敷地」のことを「囲戸(けえど)」といっている。

☆「黒海土(くろかいど)」は、昔の館跡なのだろうか?
 いろいろな説をならべたが、下記の所にも「かいと」という地名があるので地図で調べてほしい。

 東秩父村 「上の貝戸(うえのかいと)」、名栗村 「中海土(なかかいど)」、群馬県赤城村 西谷戸(にしかいと)、桐生市 小谷戸(こかいと)、大間々町 胡桃海戸(くるみかいと)、細谷戸(ほそかいと) 、沼田町 鍋改戸(なべかいと)、中之条町 古垣内(ふるかいと) など、その他にも、北関東にはたくさんある。