今、"イーブル"の疑いのある少年がとある町の教会に連れてこられた。
少年の名前は『不二 周介』。
栗色の髪と蒼い瞳を持った綺麗な顔立ちをしている少年だ。
最近彼の周りで不思議なことや奇妙な事がよく起こる事を不審に思った近所に住人が通報したのだ。
"イーブル"とは魔法使いの通り名だ。
本来は"悪"を意味する言葉なのだが、人々にとっては魔法使いは居るだけで害のある"悪"と同じだと言うのが
いつの間にか由来になっていた。
『人間は自分よりも秀でているものを嫉み、恐れる。』と言うのはまさにこの事だろう。
キィ・・・
不二を教会へ連れてきた男が教会の扉を開く。
中はとても静かで、壁は純白で統一されていた。
両脇の壁の上の方には色彩豊かなステンドガラスによって装飾されている。
そして、中央・・目の前の壁には聖母マリアだろうか?
天を見上げている女性が又してもステンドガラスによって絵描かれている。
まるで別世界。
神の聖域の様だった。
「手塚神父、いらっしゃいますか?」
男の声が静かだった部屋の中全体に響いた。
すると、右側のドアから1人の男が出てきた。
黒い神父服の胸元に小さな銀のペンダントが光る。
漆黒の髪に何もかも見透かしたような瞳が不二を捕らえた。
「神父様、この少年をお願いします。」
男が手塚と言う神父の方に不二を突き出した。
その拍子に不二はよろめき、床に膝を付いた。
「・・今度のは綺麗な顔をしているな。」
不二は絡みつくような手塚の視線に抵抗するように手塚を睨む。
2人の視線が合った。
そんな反抗的な態度に手塚の口がかすかに弧を絵描いた。
「いつもの所に連れて行ってくれ。」
「はい。ほら、行くぞ。」
「・・・っ」
+ × + × + × +
ジャラジャラ・・カシャン
不二の手首に鎖の冷たい感触が伝わる。
据わった状態で腕を上に上げられて鎖で自由を奪われた。
薄暗い地下室。
少し埃っぽくてカビ臭い、地下室独特の嫌な匂いが鼻に附く。
「ココの神父の判別正解率は100%だ。覚悟しておけよ。」
そう言い残し、不二を連れてきた男は部屋から去って行った。
冷たい地下室に不二が1人残された。
「・・絶対にバレないよ・・・」
誰も居ないこの地下室で呟いた不二のこの言葉は、誰の耳にも届く事は無かった。
どれぐらい時間が過ぎただろうか。
3時間・・それより長いか短いか・・
時間を知る手がかりも何も無いこの薄暗い闇の中では何も知る事が出来ない。
ふと、自分の鼓動と吐息だけが支配していた空間に違う音が入ってきた。
扉を開く音の次に、だんだん大きくなって行く足音。
こちらに向かっている。
自分の前で音が止まり、不二は顔を上げた。
そこに居たのは手塚だった。
「どうだ?気分は。」
「最悪だね。」
不二は嫌味を込めた笑みで返した。
こんな所に縛り付けておいて『気分は?』なんて質問がよく出来るものだと不二は思った。
答えなんて分かりきっている。
「お前・・"イーブル"の疑いが掛かってるんだよな。」
徐に手塚が不二に吐き捨てるように言った。
不二はすぐさまその言葉を否定した。
手塚は、煙草を取り出して火を付けた。
この様はどう見ても神父には見えない。
「それよりいいの?神聖な神に仕える高貴な神父様が煙草なんか吸って。」
ささやかな皮肉。
しかし"ささやか"なんて本人はささやかだと思っていても言われた方はささやかとは思わないのが普通だ。
「・・別にいいんじゃないのか?俺は人間だし神にすべてを捧げた覚えも無いしな。」
煙草の白煙が天井に昇るに連れて煙草独特の匂いがした。
「じゃ、調べてみるか。」
手塚が煙草を持っている方を床に付き、もう片方の手を不二の服の中に入れる。
不二の肌を撫でるような手付き。
そのまま手塚は口付けをして口を塞いだ。
そして、舌を入れて徐々に中を犯していった。
「何するの?!」
「調べるんだ。人間か・・・"イーブル"か・・・」
ペロリと不二の首筋を舐める。
それから下へ下へと服を脱がしながら手塚の舌は不二の身体を撫愛し続ける。
ズボンにも手を掛け始めた。
「嫌!止めて!!スケベ!変態!」
「・・もっと可愛げのある声と言葉を言えないのか・・お前は。」
手塚の口から無意識に溜め息がこぼれる。
不二の露出した脚の太ももに、煙草の微量の灰を故意に落とした。
「熱っ・・・!」
ビクンッと不二の体が一瞬痙攣を起こす。
鼻に掛かった甘めの声が部屋中に響く。
それを見て、聞いて手塚は目を細める。
「何だ・・ちゃんと出せるんじゃないか・・・・甘い声。」
「・・・っ・・サドッ!!」
「何とでも言え。」
毒吐くように言った後、手塚は舌で行っていた行為を下の方に移してやり始めた。
敏感に感じるところをスッと触れるように舐める。
それがどんどん触るようなものから味わうかのようなものに変わっていく。
唇がその敏感になところを挟む。
いや、『咥えた』と言った方が正しいかも知れない。
舌で撫愛する度に不二の身体がビクビクンッとはねる。
その度にジャラジャラやらギシギシと言う鎖の軋みや擦れる音がする。
その音が不二の喘ぎ声と重なって部屋中に響く。
「あっ・・ぁあ・あっ・・・はあっ・・ん・・・」
唾液だらけになったそのところから口を離し、代わりに自らの指を入れて唾液を絡める。
そして、その絡めた指をその中へ入れる。
不二の喘ぎ声が一層大きくなり、身体の動きも激しくなる。
中へ中へと入ろうとする指っを拒みたくても拒むことが出来ずにその行為を許してしまう。
「・・・"ゼンリツセン"ってここだよな?」
くいっと指が中で動いた。
その途端に身体中がゾクゾクッとした。
今まで感じたことのない感じ。
そこを触られるとどうにも言えない感じが不二を襲う。
その感じがどんどん大きくなって・・・・中がとても熱くなった。
「ぁ・・ぁあ・・ぁん・・・あっ・・」
「・・出して・・いいぞ。我慢できないだろう?」
「ん・・・はぁっ・・あっ」
びちゃ
不二は我慢できずに中に溜まっていた熱を外へ出した。
濡れた瞳で手塚を見る。
顔は真っ赤に火照っていて息も乱れている。
一気に脱力したという感じに溜息を一つ附く。
手塚は手に付いたのを舌で舐める。
「・・・お前・・人間じゃないだろ。」
突然手塚が言った。
見下すような冷たい瞳に不二が映る。
不二は恐怖で動くことが出来無い。
言葉を発することも出来ない。
「"イーブル"だなと聞いている。答えろ。」
「・・・・・はい。」
嘘を付いても無駄だと悟った不二は、素直に手塚の言葉を受け入れた。
不二の正体は"イーブル"・・・魔法使い。
「でも何故分かったの?魔力の気配は消しておいたのに・・・」
「いくら優秀な"イーブル"だろうとイく直前に微かに魔力を出すんだ。いくら魔力を消したとしていてもこれ
だけは消せない。」
手塚が新な煙草に火を付けながら言った。
1回息を吐く度に白煙がふわっと現れる。
しかも周りが薄暗い為その白煙は鮮明さを増している。
「・・・・・取引してやろうか?」
脈絡の無い手塚の言葉に、不二は一瞬何を言われたのか分からなかった。
不二が黙っていると、手塚は話を続けた。
「お前がいつまでも俺の傍にいて身体を差し出し続けたら"イーブル"では無いと言ってやろう。俺が言えばもう
2度と疑われることは無い。実際お前は"イーブル"だがな。」
「・・・嫌だ・・・と言ったら?」
上目遣いで手塚を見上げる。
手塚は不二の前でしゃがみ、そっと手で顔に触れる。
「政府に引き渡して殺されるか拷問されるか・・・ま、お前は綺麗な顔をしているから男共の玩具にされるって
可能性もあるな・・」
嫌味な言い方。
一体この『手塚』と言う人間は何を考えているのか全く分からない。
神父でありながら自分の欲の為に味方してはいけない相手を守るような行為をしようとしている。
しかし、こんなにも意味の分からない神父に惹かれている自分も不二はだんだん分からなくなった。
「答えは?」
手塚が答えを求める。
だが生きる為には答えなど当に決まっているのだ。
答えはただ1つ。
「・・・・・分かった・・・」
ポソリと不二が呟いた。
それを聞いて手塚は薄っすらと笑みを浮かべた。
+ × + × + × +
一夜明け、政府の人間が1人教会にやってきた。
「どうでしたか?」
「間違いなく人間です。"イーブル"ではありません。」
「そうでしたか。有り難うございました。そちらの方も・・疑って申し訳ありませんでした。」
そう言って政府の人間はお辞儀をして簡単に帰って行った。
不二は少し驚いていた。
こんなにも手塚の一言が大きいものだとは思っていなかったからだ。
人間とはなんて簡単に人を信じているんだろうと、バカらしいと思ったがその反面とても羨ましかった。
「契約成立だ。逃げるなよ・・・不二。」
「うん。分かってる・・・」
こうして不二は毎晩毎晩手塚に抱かれることになった。
それもどの位続いただろうか・・・数ヶ月経ったある日の晩のことだった。
不二は逃げてしまおうか・・・と考えた。
何も自分を束縛するものは無い。
手塚は隣で寝ている。
どうするか・・・・・・と。
こんなチャンスはもう無いだろう。
今ならここから・・・・手塚から離れられる。
しかし・・・
不二は逃げなかった。
いや・・正確には、逃げられなかった・・・だ。
自分を束縛し続けていた相手を・・・し続けている相手を・・・
愛してしまったから―――――――――――――
不二は涙を流した。
届くことの無い想いを抱いてしまったから。
自分は愛されてなどいないと分かってしまっているから。
それが
切なくて
哀しくて
寂しくて
涙を流した。
「何で・・この人を・・・」
愛してしまったんだろう・・・・・・・・
end
+ × + × + × +
遅れてスイマセンでした;;しかもなんかよく分からん文で;;
手塚の気持ちってどうも入れにくいんですよね。どうも不二サイドに寄ってしまいがち・・;;
鬼畜にしようとしてるからですかねぇ?;;
終わりは不二が悩んでいるんですが手塚だって悩んでるんです。
2人共愛情表現が下手なんですよ。
手塚は束縛することでしか愛情を表現できなくて不二は尽くす事でしか愛情を表現できなくて・・・
2人共大変なんです!出来ればこれを文中に入れたかったんですがどうにも出来なくて・・;;
返品可ですので・・心配しないでくださいねvv
