ハジマリハメール

 

最初は遊び半分で俗に言う"出逢い系サイト"によく出入りをしていた。
友達も欲しかったし、なんだか楽しそうだったからという軽い気持ちで。
そして不二は"loveless"と名乗る人物と出逢う。
もちろんこれはハンドルネームだ。
歳は同じらしく、住んでいる場所も近いらしい。
『らしい』と言う曖昧な表現の仕方は、メールで教えてもらったからだ。
メールならばいくらでも嘘などつける。
女でも男だと言っても逢わなければバレる事は無い。
不二は嘘などついてはいないが、相手は分からない。
年上かも知れないし、逆に年下かも知れない。
住んでいる所だって遠い所かもしれない。

その"loveless"と名乗る人物とメールをしていたある日。
『逢わないか?』とメールが送られてきた。
不二は迷うことなく『いいよ。』と返事を送った。
どんな人かも気になっていたし、今まで言っていた事が本当かどうかも少し気になっていたからだ。

『じゃぁ、3日後の日曜日の午後7時に××港でいいよね?』
『ああ。じゃあ3日後に。』
『バイバイ。』





   ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆





   − 3日後の日曜日 −



(もうすぐ7時だ・・・)

不二は約束の時間より30分早く待ち合わせ場所に到着した。
後約10程度で約束の時間になる。
しかし、辺りを見渡してもそれらしい人影など見当たらない。
まさか茶化されたのか?という考えが不二の頭の中に浮かんだ。
話をしていてそんな感じは無かったのだが・・
不二が考え込んだ。
その時。
後ろに人の気配を感じた。
当然不二は後ろを振り返る。
そこに立っていたのは、だらしなくネクタイを締めている、背が高くて眼鏡を掛けた黒髪の美しい青年。

「・・・・・"ロード"さん・・・ですか?」

その青年は不二のハンドルネームである"ロード"と言う名前を口にした。

「じゃぁ・・貴方が"loveless"・・・さん?」
「はい。」

"Loveless"は微笑みながら言った。
その微笑みは、何となく優しそうで、寂しそうで・・・冷たかった。

「意外だったな。"ロード"さんがこんなに可愛らしいなんて・・」
「・・男に"可愛らしい"って禁句ですよ。"loveless"さん。」
「・・確かに。これは失礼しました。」

その男はお辞儀をする真似をした。
何となく腹が立つ。

「だが、こうやって話すときに"ロード"さんと"loveless"じゃ呼び難いな。"ロード"さん。本当の名前は何て?」
「・・・"不二 周介"です。"loveless"さんは?」
「"手塚 国光"です。」

不二は本名を教えることに少し抵抗があったが、呼びにくいのも事実なので本名を教えた。
こうして初めて逢ったのに、あまり初対面と言う感じがしなかったのか話をし始めると、どんどん話が進んでいった。
どのくらい話していただろうか・・・
2・3時間は軽く越えているだろう。
そして、『ココの工場は一体何の工場なのか』と言う話にいつの間にかなっていた。

「どっかの食品会社のとか?」
「いや、重工業だろう。」

〔百聞は一見にしかず。〕
2人は中を除いて見る事にした。
ぎぎぎ・・・と重い音のする扉を開くと、中には真っ暗な暗闇が広がっていた。

「これじゃ何の工場か分からないね・・入ってみる?」
「そうだな・・・」

静まり返った夜の工場。
今あるのは自分と手塚の足跡のみ。
目も暗闇に慣れてきたのか、真っ暗だった視界もだんだんハッキリしてきた。

  ジャラ・・・

不二の脚が何かを踏んだ。
不二はしゃがんでそれを手に取ってみる。

「鎖・・・?」

冷たくて輪が幾つも繋がっている。
そして微かな鉄の匂い。

「鎖だな・・・多分ココは輸入や輸出したものを保管する所か何かだろう。」
「ふ〜ん・・何だ。じゃ、戻ろっか。」

不二が来た道を帰ろうとした時、ぐいっと腕を引っ張られた。
そのまま不二は引っ張られた方向に倒れ込んだ。

「いったぁ〜」

不二は頭の後ろを押さえた。
少しぶつけたらしい。
『何するの?!』とでも言いたいような視線を手塚に送る。
しかし不二の身体はびくっと強張ってしまった。
冷たい視線が・・・自分を押さえつけている。

「?!?!」

突然腕を押さえ付けられる。
そして手首には冷たい鉄の感触を感じる。


縛られてる。


不二は気付いた。
手塚は自分を鎖で縛り付けている。

「嫌っ!!止めて!!」

必死に抵抗するが、当然手塚の力に不二は敵わない。
手首を縛られ、自由を奪われる。
その後すぐに目の前の暗闇が濃さを増した。
さっきまではようやく暗闇に慣れてきたおかげでどうにか見えていた景色も黒く塗り潰されてしまった。
しかし不二は気付いた。
暗闇が増したのではない。
自分の視界を閉ざされたのだと。

「何するの?!止めてってば!!手塚っ!!」
「悪いようにはしない。」

手塚は不二のズボンに手を掛けた。
そして、露出した脚の太股の部分に自らの舌を這わせる。
ゆっくりと・・下から上の方にだんだんと移動させる。
不二は次に服の中に手の感触を感じた。
撫でる様なその手は自分の肌の上をまるで弄っている様に感じ取れた。
視界を失っている不二はその所為で余計に感覚が研ぎ澄まされている。
様は感じ易くなっているのだ。
今の不二は。
そんな状態で自分の1番の弱点を刺激されたらどうなるだろう。
無意識か分かっててか、手塚は不二の秘部を刺激し始めた。

「ん・・んぁ・・」

不二は我慢出来ずに甘い声を漏らす。
少し高めなボーイ・ソプラノの様な声。
その声が建物中を支配していた静寂の中に響き渡った。
今聞こえるのは自分の心臓の鼓動と、鎖の擦れる音と・・・・不二の喘ぎ声だけ。

「ふぅ・・っん・・」
「何だ・・甘い声も出せるんじゃないか。」

『もっと聞かせてくれ』とでも言うように手塚は再び不二の秘部を刺激し続ける。
卑猥な音を立てながら、それが不二の声と被り余計に厭らしく聞こえてくる。
いきなり、今まで感じていた感触や感じが消えたかと思うと自分の身体に痛みを感じた。
何をされたか分からない。
初めて感じたこの痛み。
自分に中に何かが入っていく感じ。
その度に身体の中に痛みが生まれる。

「な・に・・して・・る・・・の?」

震える声で必死に言葉を作り、手塚に伝える。
視界も自由も奪われ、暗闇の中で自分に何をされているのか分からないと言う恐怖心はとても言葉では言い表せない。

「挿れてるんだ。」
「な、何・・を?」

不二はその手塚の遠まわしでないこの言葉で大体の予想はついた。
それでも聞き返してしまうのは何故だろうか?
きっと手塚は露骨に答えるだろう。
この後、不二の予想は大当たりした。
手塚が露骨に言おうとしたので、不二は手塚の言葉を途絶えさせた。
幾ら何でも露骨にこの言葉は聞きたくない。

「分かってるのなら聞くな。」
「っ!!!!」

溜め息混じりに手塚が言葉を吐き捨てた後に、体中に激痛が走った。
奥の奥を突かれた感じだ。
どうしようも出来ない痛み。

「いっ・・あっ・・痛・・い・よぉっ・・」

自分の目に涙が溜まるのが分かる。
しかし、視界を奪っている布の所為で流れたりはしなかった。
その代わり顔が真っ赤に染まった。
自分でも分かる。
自身の中にとても熱い熱があることが。

「ぁっ・・ぁあっ・・んっ・・」
「辛いか?」
「う・・ん・・」
「・・すぐ楽にしてやるからな。もう少し我慢してろ。」

手塚は不二の耳元で囁いた。
その時に掛かる吐息さえも、もう感じずには居られない。
何をされても何かを感じる。
不二は既にそんな状態に陥っていた。

「――――っ!」

また不二は何かを感じた。
今度はいつもと違う、どんどんその感じが強くなっていく。
くすぐったい様なゾクゾクッとした感じ。

「―――――――」

自身の中にくすぶっていた熱が身体の外へ出た。
一気に体中の力が脱力した。
息も上がって、心臓の鼓動がより一層大きく聞こえる。
不二が乱れた息を戻していると、自分の視界と自由を奪っていたものが取り外された。
暗闇の代わりに久々に瞳に映ったのは手塚の皮肉な微笑い。

「感想は?」
「・・最悪だよ・・さっさと帰って!!」

不二の叫びが建物中に響く。
手塚は言われるがまま不二に背を向け去っていった。






   ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆






   − 数日後 −

不二は未だにあの日のことが忘れられなかった。
まぁ、いきなり押し倒されてあんな事をされたのだ。
忘れる方がどうかしている。

「・・手塚・・どうしてるかなぁ・・・」

 ――――――――また、あんな事をしているんだろうか。

机の上に顔を押し付け、携帯を見つめる。
携帯のアドレスメモリーには未だに手塚のアドレスが残っていた。
しかし、あの日から送られても来ないし送ってもいない。
どうしているかも分からない。
これ程までに手塚を気にするのは身体の関係を持ってしまったからだろうか。

『・・・・・逢える?』

不二は思い切ってメールを送ってみた。
返っていた返事は・・・・




end

   ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆


最後はご想像にお任せします。(笑)ま、分かると思いますがvv

スゴイ展開が無理やりだと思うのは私だけであって欲しい。(無理。)
先輩が「1回行った事あるんだ〜」って笑い話を一緒にしてたんで『おお!!これだ!!』
と思って・・・
元ネタは某先輩です。(笑)
手塚が手塚じゃないのもお許しください;;鬼畜にしようとすればする程おかしくなってく・・;;
ちなみに"loveless"の意味は"愛無き"です。
実はスキだったりvvv

最後になりましたが文崎 葉月様。
裏発見オメデトウございます〜***