社団法人 秩父青年会議所

第45代理事長 小泉 貴之

〜45周年を迎えて〜

1962年、社団法人秩父青年会議所が産声を上げ、今年で45年目を迎えます。「秩父青年会議所設立趣意書」には「楽しい家庭を、あたたかい社会を、明るいまちを、美しい都市を、豊かな郷土を、立派な秩父を」と記されています。

諸先輩方が抱いたこの熱い想いは、今でも会員すべての心に脈々と受け継がれています。一人の人間として、自分が生まれ育った故郷に誇りを持ち、大切に想う心は45年という時を経ても、決して変わることは無い筈です。

本年度、我々は45年にわたる輝かしい伝統と、そこで育まれた大いなる志へと想いを馳せ、創立45周年記念式典と記念事業を行います。

記念の年に当たり、先輩方より受け継いだ心の大切さを、我々一人ひとりが再確認し、次世代へと継承していく為の、節目の年にしたいと考えます。〜ネバーギブアップ・秩父(みらい)への挑戦〜

わが国、日本は、第二次世界大戦後より目覚しい経済成長を遂げ、世界第2位の経済大国となりました。バブル崩壊後にしてもなお、世界でも有数の豊かさを誇っています。

しかし、その経済成長や豊かさの影に隠れるように、競争社会に拍車が掛かり、市場原理主義への傾倒とグローバリズムの波が急速に押し寄せました。この変化の荒波の中にあって、国の根本をなす法律や制度、そして国民自身さえも、徐々にアレルギー反応を起こし始めている様に思えてなりません。

さらに、団塊の世代の退職問題を初め、皇室典範、教育基本法の見直しなど、国家基盤の変革期を想像させる問題が溢れ、日本国民は今後どんな道を辿るのか、また辿るべきか、否応なしに考えさせられる時代が訪れました。

この様な時代に、ただ時代に流されるだけの傍観者ではなく、国民の一人として国家の行く末を真剣に想い、行動を起こす事こそが青年会議所活動の使命だと考えます。長く険しい道のりですが輝ける「秩父(みらい)」を目指し、青年としての英知、勇気、情熱を持ち、率先して行動して参ります。

〜秩父(みらい)をつくる〜

 自分たちの秩父(みらい)をつくる事は、地域の産業・経済の発展、そして子供達の将来など様々な要素を熟慮した上で、今、やらなければいけない事。

 近年、格差社会が広がり、貧富の差がさらに加速しつつあると盛んに言われています。「勝ち組?」「負け組?」「地域の為の活動なんてしていると、負け組みになってしまう?」この厳しい社会情勢の中、我々自身が惑わされてしまう事もあるかもしれません。

しかし、私たちはこのちちぶが大好きです。美しい自然、水、空気はもちろん、食べ物やそこに暮らす人々まで、都会では感じることの出来ない素晴らしさがあります。何より、私たちが自らの生活を営む大切な住処です。

今こそ行動あるのみです。何かが変わると信じて積極的に情報を発信し、情熱を持って活動して行かなければ、「明るく豊かな秩父(みらい)」はもちろん、自分自身の未来も訪れません。2000年よりスタートした、「人々が訪れたい街『秩父』づくり運動」に始まる「秩父舞祭りC-DANCE!」を皮切りに、「ちちぶ花銀行」や、広報誌「れいめい」の発行など、本年度の様々な事業を通じ、中心市街地から周辺地域まで、それぞれの持つ特色を十分に生かしたまちづくりを目指します。

〜秩父(みらい)を担う子供たちの為に〜

 今を生きる子供たちは、果して心からの幸せや充実感を感じているのでしょうか。私たちが子供の頃は、心の中で期待と不安が入り混り、毎日ワクワクドキドキするような遊びや出来事に囲まれ過ごしていた気がします。

しかしながら、現代の子供たちに接していると、学校、塾、習い事、そして人間関係に至るまで、大人並の生活を必死にこなしている様に感じてしまいます。もちろん、知的教育はとても大切な事ですが、子供の時しか出来ない、伸び伸びとした時間を過ごす経験も人生を歩む上でとても重要な事だと考えます。

 また近年、ゆとり教育の見直しや、子供達を脅かす凶悪な犯罪が、毎日のようにメディアを騒がせています。我々が過ごした、美しい自然に囲まれ、安心して遊べる環境や時間を取り戻す活動こそが、青年会議所の重要な使命ではないでしょうか。

本年度、我々は子供たちの気持ちを心から理解するように努力し、次世代を担う大切な子供に、今しか出来ない貴重な経験を提供して行きます。

〜自分づくり・仲間づくり〜

青年会議所の仲間達は誰しもが自立した社会人です。青年会議所活動に対し真剣になるならば、まず自分達の仕事や家庭が安泰である必要があります。そして、それ以前に日々自分自身の成長に努め、仕事や家庭を守っていかなければならない一人の青年であります。  

経営者としての資質の向上はもちろん、日本人として決して忘れてはならない、古き良き時代の心を継承し、自分自身に誇りが持てる人間になるよう、研鑽に努めることこそが、青年会議所発展の為の重要な礎ではないでしょうか。

 また、青年会議所活動は40歳までと決められています。卒業していく仲間がいる以上、新しい仲間を募らなければ、楽しく充実した活動をする事はできません。45年続いた伝統の火を受継ぐ多くの若い仲間も必要となります。

厳しい社会環境に負けず、多くの仲間たちと共に自分自身の成長を感じることの出来る様々な事業を展開し、日々の研鑽と会員の拡大を進めて参ります。

〜おわりに〜

 平成の大合併にて、ちちぶ地域は1市4町へと新たな変革を遂げました。

私たち、社団法人秩父青年会議所は今後とも「ちちぶはひとつ」という気概を忘れず、自分たちの生まれ育った大切な地域の更なる発展を目指し、青年会議所活動を邁進して参ります。

 最後になりますが、会員諸兄姉のご理解、ご協力を心よりお願い申し上げ、また会員企業の発展を御祈念し、理事長方針とさせて頂きます。