第44代理事長
黒沢 一尚
 戦後60年を迎えた日本は、世界に確たる地位を築き、私達は多くの物に囲まれた豊かな生活を送っています。しかし次々と現れる問題は、本当の豊かさとは何かを、今のままでよいのかと、我々に問いかけています。その答えとして我々が選んだのは、一人一人が、自覚を持って行動して行くということ。“積極的な変化の創造”というJCの理念です。この理念を忘れず、「明るい豊かなまちづくり」に真摯に取り組んでいきましょう。
 JCの会員として、我々は、まず自分自身を変えていかなくてはなりません。我々JCと、他の組織とを明確に分かつ要素に、構成する会員の年齢が40歳以下、というものがあります。私達はいまだ発展の途上にあり、未完成なのです。仕事のこと、地域社会のこと、子育て、環境問題。新しい技術や手法、学ぶべきものは多々あります。JCを通して様々な出会いや経験が得られますが、これを活かすも、無駄にするもすべて自分次第です。各々が求める目的、理想の自己を忘れることなく行動してください。何故なら、地域社会の成員として他の尊敬を得る存在と成り、多くの賛同が得られるようになってはじめて「まちづくり」を進めることが出来るからです。
 秩父地域は、市町村合併を行い新たな枠組みを得ました。地域の自立、地方の自治という問題の答えとして、私達はこの変化を選択しました。この新しい秩父が、地域の人々の手で作られるように、我々JCは努めなければなりません。“秩父舞祭りC-DANCE!”等の事業で、地域の人々との交流をますます活発にし、地域の皆が願うことは何かを我々は知らなければなりませんし、私達JCの考えていることを良く理解してもらうよう、広報活動により力を入れていきます。また、前例や常識にとらわれない新しい行動こそが“青年”の本分であります。JC自体も時代に即した活動が行えるよう積極的に組織を改変していきます。
 私達が求める「明るい豊かなまち」。そこには、次の世代を担う、我々の子供達に健やかに成長して欲しいとの願いがあります。地域社会の基は我々個々の営む家庭です。子供達こそが我々の未来といえるでしょう。皆が子育てへの不安を感じているからこそ、子供達と積極的にかかわりを持つべきであると考えます。教育とは学校でのみ行われるものではありません。私達自身がその行動で人としての範を示すことが教育のはじめです。世代を超え大人と子供とが共に活動できる場を事業を通して作り上げてゆきます。また、その中で子供達自身が明るい未来を描けるよう、地域の皆から愛されていること、様々な可能性を持っていること、代わる者のないかけがえのない存在であること、生命の大切さと平和の貴さを教えていきます。
 以上を大目標として、今年度の活動を行います。理想がすぐに実現することはなく、時には痛い目に遭うこともあるでしょう。その失敗をも糧として大きく成長するよう。会員諸氏の“青年としての英知と勇気と情熱”に期待をいたします。