埼玉県5カ年計画(平成19年~23年)が検討されている。そこで、荒川流域に関係する団体の協力を得て、平成18年9月25日に埼玉県知事に陳情活動を行なった。 全文掲載 埼玉県知事 上田 清司様 陳情書 件 名 荒川の生態系を維持改善するための施策について (源流域から海まで、魚の行き交う川づくりを目指した施策の実施) 趣 旨 秩父多摩甲斐国立公園内の甲武信岳山頂付近を源流に、秩父盆地から関東平野を経て東京湾までの173Kmの流れを形成する荒川は、県内の多くの人々の命の源である飲料水や農工業用水を供給するとともに、広大な河畔 空間は周辺市民の心安らぐ憩いの場として活用される、県民にとっては 母なる川であります。 この50年間に、荒川は県南や都市住民の生活と経済活動を支えるための 砂利採取やダム建設によって大きく変貌しました。源流域には4つのダムが建設され、中流域にも幾つかのダムや堰が設けられ農工業の利水に活用されております。その影響なのか、上流域では河床の低下や岩盤化が目立ち、 中流域ではダムや堰によって生態系が分断されるなど、魚の生息環境は悪化の一途を辿っております。 埼玉県は平成19~23年の5年間の在るべき姿を描いた「埼玉県5か年計画・ゆとりとチャンスの埼玉プラン大綱(案)」を作成中であり、4つの 戦略の中の「戦略Ⅳ 地域の魅力 創造戦略」で「環境をまもるつくる」と 位置づけ、水と緑に恵まれた自然環境の保全・創造・活用を図るための 具体的な取組みと戦略目標を提起しております。さらには分野別施策で自然や地域環境保全のための取組み課題と戦略目標を掲げて持続可能な社会を つくるための政策提言をされております。環境をテーマに取組む県内のNPO環境団体にとっては、心強く期待に夢が膨らみます。 環境保全の施策は、埼玉県民の将来の安心と安全を保障する施策でなければなりません。環境保全に力を注ぐ県内の自治体やNPO環境団体は、県民が心から望みながら課題から外れている幾つかの具体的項目を追加し、県民 全員が5か年計画を共有し実行する「大綱」としていただきたく、ここに 陳情書を提出するものです。 具体的陳情項目 ① 荒川の生態系を遮断する中流域の玉淀ダムをはじめ、幾つかの堰の再検討と魚道等の設置。 ② 魚の棲める川づくりを目指した河床岩盤化対策(源流域の4つのダムに貯まった堆砂礫活用策の具体化)。 平成18年9月25日 陳情代表者 NPO秩父の環境を考える会 陳情者 NPO荒川流域ネットワーク NPO東京湾と荒川・利根川・多摩川を結ぶ水フォーラム NPO荒川クリーンエイド・フォーラム (財)埼玉県生態系保護協会秩父支部 埼玉県漁業協同組合連合会 NPO荒川学舎秩父 NPO野外調査研究所 NPO森 中土手に自然を戻す市民の会 下平井水辺の楽校 荒川夢クラブ |