第2回定期総会が開かれる/4号

平成7年5月28日  会長 石川友一

 

 毎日の新聞紙上では、 相も変わらずオウム真理教の問題を報じていますが、 その中にあって環境に関する2つの話題が目に付きます。

 一つは、 ニッポンニア・ニッポンの学名をもつ国際保護鳥のトキが、 期待をかけた日中ペアによるトキ二世のふ化が失敗に終わり、 トキの絶滅が確実になったというニュースです。 これで、 ニホントキが地球上から姿を消すのも時間の問題になったわけです。

 二つは、 長良川河口堰の問題です。 環境保全の象徴的存在であった長良川河口堰の本格運用が、 大臣決断の形で決定され、 環境か治水かで揺れていたこの問題に結論が出されたのです。

@の問題は、 佐渡のトキ保護センターで人工繁殖に取り組んでから15年かかっています。 Aの問題は、 河口堰問題の閣議決定がなされてから27年の歳月が流れています。 環境問題は、 長丁場であることを、 つくづく考えさせられました。  さて、 私たちの 「秩父の環境を考える会」 は、 まだ生まれて10ヵ月が過ぎ、 やっと2年目を迎えようとしているところですが、 この間に寄せられました多方面からの本会に対する期待、 協力、 援助等、 並々ならぬものがあり、 その余りの大きさに、 役員一同驚き、 身の引き締まる思いです。  総会にも、 県の環境部次長さん、 県の民間団体代表の生態系協会さんを始め、 地元市町村関係者等多数の方々のご臨席を賜り、 またメッセージ等お寄せいただき、 誠に有り難うございました。 また新聞にも報じられておりましたが、 武蔵野銀行さんには、 本会のパソコン通信の構想に深い関心を寄せられ、 多額の研究奨励基金援助を賜り、 お陰をもちまして9月よりパソコン通信 「ちちぶ環境ネット」 の開局のメドがつきましたことを報告させていただきます。

 総会におきまして、 ご協力いただきます平成7年度事業につきましては、 年末より5ヵ月をかけて練り上げてまいりました事業の数々であります。 今、 秩父にとって何が必要かの観点から、 アドバイザー、 役員スタッフ、 そして全会員へのアンケート調査等を集約いたしましてその結果を分析し、 総合し作り上げてまいりました。

 本会の設立趣旨に照らし合わせて、 啓発活動、 調査活動、 実践活動の3つの柱のもと、 事業を進めてまいりたい所存であります。 どうぞ、 よろしくご協力いただきますようお願いいたします。

 最後になりましたが、 本総会の記念講演といたしまして、 県教育局文化財保護課長の吉川國夫先生に 「荒川が今問われているもの」 と題してお話を伺うことができました。 埼玉の水の源流荒川に今何が起ころうとしているのか、 そして私たちは、 どのようにして荒川の流れを守らなければならないのか、 地域の皆さんと一緒に考えるための一助になればと考えます。 よろしくお願いいたします。

  ホームページに戻る  会報のページに戻る