首長にきく インタビュー

  豊かな自然環境と福祉の町づくり 

    関口和夫 小鹿野町々長

           (きく人 新井雅夫副会長) 

 

Q. 豊かな自然環境とは行政のお立場でどうお考えでしょうか。

   町民の声を町政に反映させるためにお願いしたアンケートの中でも、 自然をこれ以上破壊しないでと云う声が多く、 自然を大切にと考えて生活している人が大勢います。 今こそ行政が自然環境保全と地域振興を両立させて、 町の環境をこれ以上悪化させないよう努力します。 子供に川が汚れているからプールで泳ぎなさいでは、 健全な自然教育はできず、 子供が自由に遊べるような昔の川を取り戻す必要があります。 以前は林道工事等で切取残土を谷川に落とすような工事もみられたが、 こんな自然を破壊する工法は許されません。

 住みよい町づくりの都市計画では、 開発されやすい長若等も含めた広い地域で山間緑地の保全が必要と考え、 都市計画区域案を選定しました。 生活排水の汚水浄化に植物のアシによる浄化法を取り入れ、 また町の伝統文化を大切に保存することは環境保全につながり、 高齢者対策では保健・福祉・医療が主要な課題であり、 高齢化比率の高い地方から中央へ高齢者対策を発信すべきと考えています。

 

Q. 県自然環境保全地域が3箇所ありますが、 保全についてどのようにお考えでしょうか。

   小鹿野にはなんて言っても 「ようばけ」 があり、 積極的に手を加えることはしないで、 地学的に親しまれるよう対岸から観察できるようにします。 奈倉地区から護岸工事の要望もあり、 自然環境に相応しい工事を考えています。 般若地域には法性寺もあって訪れる人が増加していて、 不便をかけていた公衆便所を周囲の景観にふさわしい建物を新設しました。 尾の内地域では渓谷美と林を散策できるように、 吊橋や遊歩道を新設して野生鳥獣や紅葉観賞ができるようにと考えています。

 

Q. 町の新しい観光スポット 「般若の丘公園」 を今後どのようにしたらよいとお考えでしょうか。

   「般若の丘公園」 は福祉施設 「クアパレスおがの」 の敷地内に設けられ、 ここから出土した 「パレオパラドキシア」 の骨格化石をもとに復元した親子三頭の生態模型や同時代にいたと云われる 「チチブサワラ」 の生態復元模型を展示しましたが公園には若者の利用者が多く、 園内にはゲートボール場、 地元で生産された農産物の直売所、 青年会議所が中心に行っているハーブ園等があります。 般若県自然保全地域へ通ずる遊歩道も整備しました。 今後、 多くの人達、 特に家族連れできて頂き、 ひいては 「クアパレスおがの」 の経営にプラスになればと考えています。

Q. ダム建設や国道改修後の道路行政等についてのお考えをお聞かせ下さい。

   小鹿野も高齢者比率は20%を越え、 今後急速に高齢化が進むので主要道路以外の道路開設は考えられません。 既設道は生活に支障がなければ幅員を拡げ、 車を時速 60 も走らせる必要はありません。 救急病院などに通ずる道路ではロータリーを設け車が回り易いような工事を、 また一般道も隅切りや段差をなくし、 お年寄でも安心して運転できるような福祉道路とし、 生活道路は多少狭くとも舗装を考えています。 水路工事について三面をコンクリートで固めてしまう工事だけでなく、 ここに生息する生物が死滅しないような工法もできるだけとりたいと思います。

(注) インタビューは、 公務ご多用の中をご都合頂きました。 環境保全に高い見識をお持ちで、 貴重なお話を長時間頂きました。 本文はその一部を要約しました。

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