森林生態系保護活動の概要
※会報17号からの収録
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本年度より3カ年の大型研究プロジェクトがスタートしました。
これは、 環境事業団から 「地球環境基金」 の助成を受けて行なわれるもので、 「甲武信岳を中心とした秩父多摩国立公園の森林生態系保護活動」 とし、 21世紀へ向けて総力を挙げて推進していこうとしています。 以下その概要を述べます。
活動の趣旨・目的
荒川の源流は、 埼玉・山梨・長野三県にまたがる甲武信岳に端を発し、 その豊かな水量は奥秩父の森林によって支えられています。
林野庁は、 甲武信岳周辺2100haを 「森林遺伝資源保存林」 として指定しました。 これは森林生態系の遺伝資源を恒久的に保存しようとの試みです。
秩父山地の指定は利尻・礼文、 九州中央山地に続く三カ所目です。 (林野庁は今後日本全体で13カ所を指定する予定) しかし、 当地域は首都圏に近く登山者、 釣り人、 観光客が多く、 また国道140号雁坂トンネルの開通によって車でのアクセスもよくなったこと等により、 その生態系の保護については困難を伴うことが予想されます。
当会はNGOとして、 行政、 地域住民のパートナーシップによる一体となった森林保存対策を進めるとともに、 荒川・多摩川・笛吹川・千曲川の水源確保を目的として活動を展開します。
活 動 の 内 容
学識経験者、 環境保護団体関係者、 山岳連盟関係者、 行政関係者によって 「企画委員会」 をつくり、 次のような活動を行ないます。
1 森林生態系の調査 …… 植物・動物調査森林立枯調査 酸性雨調査 等
2 環境保護活動 …… ゴミ持ち帰りキャンペーン 空き缶・ゴミの清掃活動 荒川流域のNGOとの共同による登山道整備、 下刈り、 植栽保護等の活動
3 啓発活動 …… 森林生態系のしくみを理解してもらう活動 荒川源流の自然を守るためのイベントの開催 啓発資料・ポスター等の刊行
4 NGO活動のネットワーク化
インターネットホームページの開設山梨・長野・東京三府県にまたがるNGO活動の推進
第1回企画委員会開催
活動の企画・立案の会議を下記のかたがたのご協力をえて開催しました。
7月4日 (土) 於・秩父宮市民会館
調査活動を開始
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植物部会 (チーフ 岩田)第1回調査 8月5・6・7日
第2回調査 8月18日
◆
地球環境 (酸性雨・立枯調査) 部会(チーフ 野口)
第1回調査 8月10・11日
◆
動物部会 (チーフ 町田)第1回調査 8月中
調査の初年度なので、 今年度は基本的な調査になります。
なお、
地球環境部会では酸性雨や酸性霧を調べるために、 次の二カ所のご協力を得て採取器を設置していただきました。大滝グリーンスクール
酸性雨 …… 町田和彦さんのご協力
酸性霧 …… 飯野育雄さんのご協力
甲武信小屋
酸性雨 …… 山中徳治さんのご協力
測定も始まっています。
次号の会報には、 その成果の一部を載せることが出来るのではないかと思います。
今後の活動
調査活動は引き続き行なわれて行きます。 各委員会では次のような活動を考えています。 ●
啓発委員会 (チーフ 萩原)会報の発行 山火事防止・ゴミ持ち帰り等のキャンペーン 森林保護を訴えるポスターの作成と掲示
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環境保護委員会 (チーフ 金田)大きな行事として、 11月23日の勤労感謝の日に大滝グリーンスクールを会場に荒川源流の自然を守るイベントを開催します。
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ネットワーク委員会 (チーフ 内藤)インターネットのホームページを開設し、 ネットワーク作りを進めます。
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第2回企画委員会 (チーフ 井上)12月実施
以上がプロジェクトの開始時における活動の概要です。
言うまでもなく、 多くのかたがたのご指導とご協力がなければ出来ない事業です。 みなさんよろしくお願い申し上げます。
〈記・研究プロジェクト グランドチーフ 野口〉
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