新しい年に新しいネットワーク

会長 石 川 友 一

 

 新春を会員の皆さまには、 ご家族ともども新たな気持ちで、 お迎えいただいたこととご拝察いたします。

 私たちの 「秩父の環境を考える会」 も、 ここに2年目の新春を迎え、 厳しさを増す地球環境悪化の中で、 郷土秩父の環境の保全と創生に向け、 努力していく決意を新たにしたところです。

 昨年は、 役員・アドバイザリィ・ボランティアスタッフ一同、 それぞれの部署で奮闘され、 多くの成果を納めることが出来ました。

植物部会・動物部会・自然環境部会・生活環境部会が行う月一度の例会も定着化してきたこと。 プロジェクト 「荒川水系環境調査」 「秩父地方の天然記念物 (老樹・銘木) の活力度調査」 「尾田蒔丘陵のビオトーブ作り」 「天然記念物ステゴビル自生地復元保護活動」 等のプロジェクトチームが発足し、 調査研究活動を始めたこと。 パソコン通信の 「ちちぶ環境ネット」 が秋より本開局し、 着々とデーターベースづくりが進められていること。 等々挙げてみますと枚挙にいとまがありません。

 お陰をもちまして、 会員も300名に達しました。 更にその活動が、 単に会員だけに止どまることなく、 地域の人々や市町村行政関係者からも評価を戴くところとなりつつあります。

 一つの証として、 各地からの情報が本会に集まるようになりました。 県の施設や市町村で発行される広報誌までが、 会に送付されてきますし、 市町村の議員さん達が定期的に環境問題で情報交換や勉強会を始められたのも、 その一つの例です。

 話が変わりますが、 対外面での特記すべき事柄としては、 県内の環境保護団体が2つの新しいネットワークづくりがスタートしました。

 一つは、 荒川流域で活動している18団体が 「清流をよみがえらせ、 荒川流域ネットワーク」 をテーマに、 一斉に荒川流域の水質検査を行いました。 全流域103か所のCOD (化学的酸素要求量) とPH (水素イオン) の測定を126名の参加を得て実施しました。 この調査で手を組んだ県内の環境保護団体と何らかの形で組織化を図っていこうとする動きです。 荒川の上流 (秩父) から下流 (川口) までの団体がネットワークを組んで、 荒川の流れを守ろうとする仕事が、 今年の大きな課題となります。

 二つめは、 秩父地区の話題です。 秩父の環境問題にかかわっている19の団体が、 一堂に会しました。 お互い団体の活動や情報交換の中から、 将来、 活動の連携をすすめる中から統一した行動の出来るようにネットワークを組もうとするものです。 「秩父愛鳥会」 「ネイチャークラブ」 「秩父青年会議所」 「ほたるの里の会」 そして 「秩父の環境を考える会」 が呼びかけ団体となって始めたものです。 今年の5月、 環境月間を目標に 「秩父地区環境団体連絡協議会 (仮称)」 の創立総会が開催されますよう動き出しています。

 秩父では 「秩父地区環境団体連絡協議会」 を、 埼玉県では 「荒川流域ネットワーク」 をそれらをベースに、 全国の環境保護団体や外国の環境保護団体との連携を強化していく今年はそんな年になると思います。

 幸なことに、 本会は昨年パソコン通信を開局しました。 インターネットを通して、 世界の環境保護団体との情報交換が可能となります。 ヨーロッパのグリーンピースとの交信も瞬時に行える条件が整いつつあります。

 環境を守るためには、 情報を多く持つこと。 科学的根拠に裏打ちされていること。 大胆に発言し行動すること。 の3つが大切だといわれています。 本会も、 秩父の環境保護団体の一員として、 大きな夢を抱いて新年の第一歩を歩み出したいと思います。

 高浜虚子の句にある

『春風に闘志いだいて丘に立つ』

句の意味を噛み締めながら、 新春を迎えました。

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