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   7月号  
                           センダンの枝にキジバト 

    想像する力を高めるために!     三 上 孝 子
 蒸し暑い日が続いておりますが、雨の降らない日はプールでの楽しい学習も行われているこのごろです。いよいよ7月、1学期のまとめの時期を迎えました。体調を崩さず元気よく、学期末を乗り切れるよう、特に「早寝、早起き、朝ご飯」を合い言葉に、ご家庭の協力をよろしくお願いいたします。
 さて、もう少しよく考えれば、そんなことはできなかったのでは、と眉をひそめたくなるような事件が相次いでいます。どんな影響が出るのか、結果を考えてみればわかるはずなのに、と残念に思います。この一つの原因として、「想像力の低下」が叫ばれています。人と人が仲良く気持ちよく生活していくために大切な力です。

  想像力を高める その1  体験
 本校の伝統として長く続いている「みどりの学習」は種を蒔き、水やりをし、植え替えながら、大切に成長を見守る活動です。生きている草花に込める心、汗を流しながら世話をする労働、やってみることにより吸収できる力は偉大です。
 さらに今年は、縦割り班としての活動を組み、高学年のリードで植え方のデザイン、水やりの当番計画、確認など、先の見通しをたてながら、よい活動が実施できています。
        
    縦割り班での花壇づくり          自分の考えの書き込み

  想像力を高める その2  考える学び
 本校は、本年度も国語力の育成をテーマに授業実践を続けています。言葉に着目して、大事な要点を読み取り、なぜそれが大事なのか、根拠も明らかにしながら、深い読み取りをめざし、さらに自分の言葉で発表できる力を伸ばします。 深い読み取りは、予想したり、関連づけたりする想像の力 ます。 を高めます。6/21に初めての授業研究会を行いました。
  受け身でなく、考えを思いめぐらす積極的な学びの習慣を 身につけさせたいものです。
  

 食べ物や着るものに不自由しない豊かさを手に入れさえすれば、戦争以前のおだやかな生活にもどれると、わたしたちは思っていたのです。 けれど、どうやらそこに思いちがいがあったようです。
 わたしたちは、つつましい生活のなかにある小さな幸せも実感できていたのに、豊かさを追い求めるようになってから、そのセンサーをにぶらせてしまいました。あれほどありがたいと感じていたものたちからありがたみが消えて、どれもみなそこにあることが当然だと思うようになってしまったのです。それとともに、ほかの人のことをおもんぱかる想像力もおとろえてしまいました。その代わりに、まるでコンピュータが情報を処理するように、何の感情も入れずに、ものをみるようになったみたいだと、わたしは感じています。 「知る」という行為は想像力や思いやる心を同時に働かせながら行うものです。けれど、今わたしたちがしている「知る」のなかにはぬくもりがありません。(略)想像する力が弱くなることが、いちばんこわいことです。
  『 10歳のきみへ 』ー95歳のわたしから 日野原重明著より

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